9/2の読売新聞朝刊に議員の出産に関しての記事が、1面と3面に掲載されました。

私が昨年、豊島区議会事務局の協力で行った、全国議会事務局調査を実施したいと記者さんからご相談をいただき、調査手法・質問項目・集計結果の論点や、出産議員の仲間の紹介など少しですがお手伝いさせていただきました。
3面の方には私のコメントも出ています。
3回くらいの連載記事になるようです。
次回以降、また出産議員の仲間のコメントも掲載される予定です。

議員の出産にまつわる課題としては、私は大きく2つの論点が見いだせると思っています。

一つは、妊娠・出産・子育ては、立場や職種で制限や差別されるものではなく、「どんな立場にあっても安心して妊娠・出産・子育てできる社会」をつくりたいということです。

私は、行政書士でもあり、士業(弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士等)仲間の女性達も、仕事と妊娠・出産・子育てとのバランスのとり方など悩んでいる声がありました。

3年前には、女性士業のネットワークを作り、そのネットワークの強みを生かして世の女性達の相談を受けられる体制にしようと、東京音大協力の豊島区のランチタイムコンサートとのコラボの相談会をとしまセンタースクエアでスタートさせました。

我が国の法規上は、産休については労働基準法でしか明記がなく、この法律の範疇外の方の産休については保証がないばかりか社会の理解が進んでいなくて、非常に苦しい状況におかれている方は少なくない現状があります。

労働基準法65条の産休規定は、母体保護措置を目的としており、産休の期間である8週(本人が希望し医師が差し支えないと判断した場合は6週)という期間は、産後、母体の客観的回復過程についての考慮及び産褥期間が6~8週であり、この期間は世界各国ほぼ共通であり、医学的にみて異論のない期間との考えによるものです。

また、労働基準法の逐条解説には、「働く女性自身の健康のためばかりではなく、次代を担う国民の健全な育成という観点からも重要なものであることにかんがみ」とあり、これは子どもの成育も範疇におかれていると捉えられます。

雇用関係にない立場だから、議員だからといって、産後驚異的に心身が回復するわけはなく、雇用関係にない働き方の母から生まれた子どもも特別頑丈な体で生まれてくるわけではありません。

これは、全ての妊産婦と子どもに適用される考え方なのです。

このことを明確にできないかと思い、実は先月から、医学界、法制局にアプローチしており、明日も、国会の調査室と議論しに行きます。

もう一つは、議会は議員のものではなく、全ての人のための民主主義のツールであり、社会の縮図としていろんな立場の人の意見が反映され、誰もがエントリーできるものであるべきであるということです。

そういう考え方に立った時に、参加しにくい要因・障壁となるものがあるのであればそれを取り除いて参加しやすくすることが民主主義の前提であると思います。

今年5月に「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が可決成立しましたが、女性議員を増やそうという議論について「女性にだけ下駄を履かせるのか」という声がしばしば向けられました。

女性が政治に参画するには妊娠・出産・子育て等のライフイベントとの整合や、性別役割分担など社会通念も障壁となっているのは明らかで、そこを乗り越えるための対応を行い、社会を反映した人口比にするあり方(パリテ)を目指すのは女性に対する特別扱いではないと考えます。

また、「女性なら誰でも良いというわけでない。」という声も出てくる。
今まで多数だった男性議員は皆能力が高かったのか?不祥事などない人格者ばかりだったのか。もちろん、能力の高い人格者である方が良いけれど、エントリーする前から男性にそれがあえて要求されたか?

女性議員でこれをいう人も結構いる。
ならば問いたいが、「あなたは素晴らしく能力の高い女性だから議員になったのですか?」と。
誰もが白旗上げるくらいできる議員以外にこんなこと言われたくないと思います。
女性議員からそういう声を聴くと、「あなたの既得権守りたいだけじゃないの?」と私は思います。

議員の出産に話を戻して、議員の出産が否定されるとしたら、それは出産期にある女性の政治参画を否定することになりかねません。

特に少子化が加速し、子どもを産み・育てにくい状況がある中で当事者の声が政治の場に反映されることは今の我が国にとって大変重要なことだと考えます。

もちろん、直接経験していないとダメということはないですが、今まであまりにも当事者感覚の薄い議論の場であったからこそ、実効性のある子育て支援ができてこなかったのではないでしょうか?

外的要因で子どもを産むことを躊躇したり、子育てが苦しい社会になってはならないと私は思います。

二つの大きな目的を抱きつつ、議員在任中に出産という希少な経験を、個人的な問題に留めず、被害者として同情を引く、関係者を攻撃する、自己顕示の材料にするというのではなく、皆で課題を乗り越え、成熟社会のためのスキルとしていくことをやっていきたいと今取り組んでいます。

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